マクロ経済学の話＝国富

　第二に、地域経済の活性化はどうなったのかということです。原発地域はどこでも同じ傾向があるわけですが、柏崎刈羽地域においても農林水産業人口の減少がほかの地域以上に進んでいきます。これは原発労働の特殊性からきています。被曝労働であるため、かなり時間単価の高い労働になります。そうなると地味な仕事がなかなかできないということもありますし、土地を売ったほうが利益になるということで農地の売却や漁業権の売却が進んでいく。製造業を含めて生産活動が衰退していくという流れになる可能性のほうが強いわけです。これが産業別就業人口で見ると出てきます。代わりに一過性産業で原発の建設段階、そして、運転段階で保守点検の定期検査が入ったときだけ建設業関係だけがグッと増えてくる。あるいは、飲食・サービス関係が増えてきます。それが終わると水が引いたように去っていく。こういう形での不安定雇用の増大が見られます。

　その際には男女バランスが大きく崩れてきます。男性労働者のほうがはるかに多い。ここから種々の社会問題も発生します。こういう就業構造なり、人口構造になっていく。柏崎刈羽地区でも、同様の事態が見られます。

　さらに原発がつくった電力を販売した経済的果実の大半は、東京電力本社のある東京に流れていきます。税金や交付金という形で戻ってきたとしてもわずかな金額です。田中角栄が1988年にいったような、たくさんのお金が東京から地元柏崎に入ってくるということにはなりません。このような法人所得の本社への所得移転構造も生まれて、結局、柏崎市の現市域単位の人口の動きを見ると、原発が５基完成していた1995年段階の10万人超をピークにして、2010年には約９万1,000人ということで１万人くらい減り、対前回比、2005年-2010年の間の人口減少率は新潟県内の平均を上回る人口減少地域になっています。原発を整備、拡充すれば地域が活性化して人口が増えるという夢は、現実のものとなりませんでした。このように社会経済的な視点から見ても、矛盾が噴出することになりました。

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  あ＊

  Re:こんばんは
  ＞晴彩（はるさい）さん
  
  実体とは何か？…ということを論じねばならないわけですね。
  ⒈ 環境レイシズムを100％受け入れるアベ政治では、居住に適さない国土がどんどん増えるため、国富が失われます。
  ⒉ 劣化ウランやプルトニウムを供給する「加工貿易」を引き受けることは、カネになる＝「実体経済」にプラスかも知れませんが、そうした業務を引き受けることは、国富の損失になります。
  ⒊ 六ヶ所村再処理工場も国富の損失になります。
  ⒋ 「アヘン戦争」パロディを演じ続けることは、ビッグファーマがウハウハ…晋精会＆公認心理師法システムに組み込まれた人々にはカネになるでしょうから「実体経済」にはプラスかも知れませんが、人道上の罪にしかなりませんので、人心が荒廃して行き、社会の内部崩壊を進めてしまい、結局は国富が失われます。
  
  国富とは何か？…考え直さないと、
  環境レイシズム100％受け入れるアベ政治になってしまうだけです。
  
  ⒌ 河井克行さんはじめ原子力マフィアの暗躍で、原発立地で少子化が進むため、地方経済が悪化して、
  “maintain, sustainable, and heritage” というふうにならず、子々孫々、平穏死を繋ぐことができなくなってしまうため、実体経済も衰退して行きます。
  2018/05/22 20:19:53